相場が買われ過ぎていたり、売られ過ぎていたりを判断する指標に何を使っていますか?
「モメンタム(Momentum)」はXM(XMTrading)で使えるオシレーター系インジケーターです。
初心者トレーダーにはあまり知られていないのですが、使いこなすと強い味方になってくれます。
今回は「モメンタム」の概要や注意点・使い方などを解説します。
「モメンタム」とは?
「モメンタム」は相場が買われ過ぎていたり、売られ過ぎていたりを判断する指標として活用できるオシレーター系インジケーターです。
中心の「0」を基準として上側がプラス、下側がマイナスになっていて、折れ線グラフの様に指標が上下に行ったり来たり動きます。
「モメンタム」の数値は次の計算式で算出されます。
当日の終値−X日前の終値
Xには「10日」や「25日」など任意の日数が入ります。
この計算で出た結果を複数繋いだものが「モメンタム」です。
とてもシンプルな計算ですが、相場のトレンドの強弱を判断するのに適しています。
移動平均線の勾配を折れ線グラフ化したようなイメージです。
つまり、プラス幅が大きければ大きいほど上昇の圧力は強く、逆にマイナス幅が大きければ大きいほど下降の圧力が強い、と判断します。
また、上昇トレンド中に「モメンタム」の数値が下降してくればトレンドが弱まった、下降トレンド中にプラス圏に浮上すれば反転の可能性があるとも判断できます。
相場の勢いを掴むとエントリーポイントや利確ポイントを見つけやすくなるでしょう。
「モメンタム」は初級者から上級者まで取り入れたいインジケーターです。
「モメンタム」の設定方法
「モメンタム」をMT4に表示させたい場合の設定方法(表示方法)を解説します。
まずMT4にログイン後しましょう。
- 「挿入」→「インディケーター」→「オシレーター」→「Momentum」をクリック
- ポップアップの画面で期間を選ぶ(※デフォルトでは期間「14」に設定されています)
- 線の色やデザインを選択して「OK」をクリック
以上で設定は完了です。
過熱感を判断するためにモメンタムを参考にする場合は、特に期間を変更する必要はありません。
MT4で「モメンタム」を表示すると、中心の0のラインは無く、上下にラインが表示されます。
通貨ペアの値幅によってプラス域とマイナス域の最大値は自動で調整されます。
おすすめの期間
「モメンタム」の設定では期間の長さを変更可能です。
期間は自分のトレードに合わせて調整するのが一番ですが、おすすめはこちら。
- 短期トレーダー:期間10〜15
- 長期トレーダー:期間20〜25
複数の「モメンタム」を同時に表示させてトレンドを判断すると、より精度を上げることができます。
それぞれ期間の長さによる特徴を確認しておきましょう。
主に使われているのが期間「10〜14」ですが、これは比較的短期です。
短期になると直近の値動きに左右されやすく、小さな値動きにも敏感になりますので、インジケーターの動きも激しくなります。
反応が早い分相場の動き出しをいち早く捉えられます。
しかしその分ダマシも多くなってしまうので注意してください。
逆に長期に設定した場合、期間「25」を使う事が多いです。
期間が長くなった分、インジケーターの動きは短期に比べると滑らかな動きになります。
長期では突発的な値動きの影響を受けにくくなるので、ダマシの回数を減らせるでしょう。
「モメンタム」の分析方法
「モメンタム」をチャート上に表示できましたか?
次に、どのように相場を分析すれば良いのかを解説していきます。
「モメンタム」は先の解説でも触れたとおり、過去の価格に対して今日の価格がどれくらい差があるかを示しています。
つまり、差が大きいとそれだけ価格変動の圧力が強い、逆に差が小さいと値動きの勢いが小さい、ということを意味しています。
これを大前提として、「モメンタム」がプラス圏で推移している時が買いの勢力が強い状態、マイナス圏で推移している時が売りの勢力が強い状態と判断します。
例えば、プラス圏で右肩上がりに「モメンタム」が推移していれば、上昇トレンドの圧力が日に日に強くなっている、と考えます。
さらにチャートは右肩上がりでも「モメンタム」の数値が落ちてきていれば、上昇のトレンドが弱まっているとも判断できます。
逆の場合はどうでしょうか?
マイナス圏で右肩下がりに「モメンタム」が推移していれば、下降トレンドの圧力が徐々に強くなっています。
そして、下落トレンドで「モメンタム」の数値が徐々に上昇していれば、下落の圧力が弱まってきていると判断します。
「モメンタム」の特徴を理解していることで、エントリーと利確のタイミングが見つけやすすくなります。
- モメンタムを利用したエントリー:0ラインの上抜けで買い(下抜けで売り)
- モメンタムを利用した利確:モメンタムが反転したポイントで売り(買い)
0ラインを上抜けた時点で買いが優勢に転換していますので、買いの圧力が強くなると考えられます。
上昇の圧力を「モメンタム」で判断しながら、数値が伸び切って下落に転じ始めたあたりが利確ポイントとしましょう。
「モメンタム」分析はどの時間軸でも通用するので、手軽に取り入れることができます。
「モメンタム」と相性のいいテクニカル指標
「モメンタム」は相場の強い弱いを判断するオシレーター系のインジケーターです。
トレンド系のインジケーターと組み合わせるのがおすすめ。
トレンド系なら、お互いの良い点を補完し合えるためです。
特に「ボリンジャーバンド」と相性が良いでしょう。
「ボリンジャーバンド」の1σもしくは2σを超えて「モメンタム」も右肩上がりであれば、上昇の勢いはかなり強いと判断できます。
「モメンタム」と「ボリンジャーバンド」を組み合わせると、トレンドの強弱の判断精度がグッと高まるでしょう。
「モメンタム」の注意点
「モメンタム」を活用してトレードするにあたり、いくつか注意しなければいけない点があります。
- モメンタムの数値には上限下限が無い
- モメンタムはダマシも多く発生する
- モメンタムはレンジ相場に弱い
「モメンタム」は設定した日にちの価格の差なので、上限と下限がありません。
上昇トレンドが続けば、「モメンタム」も永遠に上がり続けることになります。
また、「モメンタム」はオシレーター系のインジケーターの中でも比較的多めにダマシが発生します。
これは上昇トレンド中に長めの押し目が発生しただけで短期の「モメンタム」はマイナス圏に入ってしまうケースも見られます。
さらに、レンジ相場に弱いというデメリットも。
レンジ相場の場合、売りと買いが短期間で交互に繰り返すので、「モメンタム」が頻繁にプラス圏とマイナス圏が入れ替わってしまうのです。
そうした事から、「モメンタム」はレンジ相場には向いていないと言えます。
まとめ
「モメンタム(Momentum)」を表示している初心者トレーダーは少ないかもしれません。
しかし、「モメンタム」の特徴を理解すれば、取引を有利に進められるインジケーターです。
「過去の価格に対して今日の価格がどれくらい差があるか?」が視覚化されるので、エントリーと利確のポイントを探りやすくなります。
できれば使い慣れたインジケーターと組み合わせて、勝率アップを目指しましょう。
「モメンタム」はMT4で表示できるので、XM(XMTrading)を始めた方はぜひ取り入れてみてください。
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